MotoGPのゼッケンナンバー、どうやって決めている?

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MotoGPのゼッケンナンバーを見ると、番号もデザインも様々で見ているだけでも面白い。選手によっては、シンボルとなっている番号もある。

ゼッケンのナンバーはどのようにして決めているのだろうか。何か意味があるのだろうか。思いを込めているライダーもいれば、語呂合わせで決めるライダー、面白い決め方をするライダーと様々だ。そんな選手たちのゼッケンとナンバーについて紹介していく。

MotoGP、王者のゼッケンナンバー「1」

ケビン・シュワンツ 選手

MotoGPでゼッケンは「出走番号」であり、特に規定があるわけではないため、番号やデザインの自由度が高い。

とはいえ、初期のMotoGPチャンピオンは必ず「1」をつけていた。優勝すると翌年にゼッケンを「1」にすることが、彼らのモチベーションにつながっていたようだ。当時はマイナンバーを持つよりも、チャンピオンナンバーを持つことが彼らの目標であった。

MotoGPのゼッケン、マイナンバーにこだわった選手は?

バレンティーノ・ロッシ選手

最初にマイナンバーにこだわったのは、バーリー・シーン選手だといわれている。彼は1976年、77年にチャンピオンを獲得したが、自身のゼッケン「7」にこだわった。ゼッケン7は、今でも彼のナンバーとして認識されている。

次にマイナンバーに固執したのは、バレンティーノ・ロッシ選手だ。同じレーサーであった父から譲りうけた「46」の話は有名だ。

ロッシの父親、グラツィアーノ・ロッシは若いころ250㏄クラスの選手であった。ロッシが生まれた1979年、グラツィアーノは優勝に近づけるほどの走りをみせ、このときの番号が46であった。バレンティーノは、自分の生まれたときの父親の番号に運命を感じ使い始めた。

バーリー・シーン選手を始め、マイナンバーにこだわった選手も多いが、一時的にでもチャンピオンナンバーを使ったり、「1」のナンバーに自身のナンバーをデザインとして加えるなどの工夫を行っている。

その中で彼は一度も「1」を使ったことがない。唯一の選手と言ってよいだろう。

MotoGPゼッケン、家族・師から受け継いだナンバー

ニッキー・ヘイデン選手

同じように父親からナンバーを受け継いだのが故ニッキー・ヘイデン選手。彼はアメリカで有名なレーサーの息子で、彼の父親が「69」を使っていた。その理由は、マシンがひっくり返っても69に見えるからということだった。

ちょっとしたジョークで出た話かもしれないが、今では「69」は永久欠番となっている。

イタリアのアンドレア・イアンノーネ選手はゼッケン「29」を愛用。彼は小さいころから兄とレーシングをしており、誕生日の「2」と「9」をつけて走っていた。

兄はモータースポーツをあきらめたが、兄思いの彼はお互いの絆をつなぐという意味で、29というゼッケンに決めたそうだ。

ダニ・ペドロサ選手は「26」、ケーシー・ストーナー選手は「27」を師匠としていた元レーサー、アルベルト・プーチから与えられ、マイナンバーとして使用している。

MotoGPのゼッケンナンバー、誕生日その他

マルク・マルケス選手

2020年も勢いが止まらない、マルク・マルケス選手が使用しているのは「93」。1993年生まれだからとしている。2019年はチャンピオンナンバーで走っている。

生まれた日を活用しているのはほかにもいるが、世界的に有名な日本人選手、故加藤大治郎氏は7月4日の誕生日にちなんで「74」を使っていた。彼のゼッケンナンバーは、永久欠番となっている。ほかにも日本人選手には、生年月日や名前の語呂合わせなどで決めている人も少なくない。

マーベリック・ビニャーレス選手は、25番。シーズンの最高ポイントである25を目標にしていたことによるものだ。

ホルヘ・ロレンソ選手は、はじめ48をつけていたが、99に変更。

MotoGPで使用する番号は2ケタまでとされているため、本人は「2ケタで一番大きな数字だから」と答えている。

チャンピオンナンバーはプレッシャーに?

伝統として重視されているチャンピオンナンバーだが、海外では「1」をつけると負けるという説もある。

実際に、バレンティーノ・ロッシ選手のライバルであった同国のマックス・ビアッジ選手は、2010年にSKB(スーパーバイク選手権)でイタリア人初のチャンピオンになった。そこで翌年に「1」をつけたが、結果は3位。さらに翌年の2012年に、これまでの「3」を使い、再度優勝している。

ホルヘ・ロレンソ選手も、同じような経験をしている。2010年優勝の翌年、「1」をつけてチャンピオンの座を譲り、2012年に99をつけて再度チャンピオンを奪回。またケイシー・ストナー選手は2008年に優勝、翌年「1」をつけてロッシに敗れている。

ほかにも様々な選手が「1」をつけて敗れているが、あくまでも1つの説だ。何よりも王座を維持するプレッシャーの問題が大きいだろう。

実際、バレンティーノ・ロッシ選手は「1」をつけたことはないが、何度も敗れているし、マルク・マルケス選手はチャンピオンになっている。

「1=トップ」という重圧は、選手たちにとってはかなり重いものなのかもしれない。それだけMotoGPは激戦であり、タイトルを取るのは容易ではないということだ。

ゼッケンは、チャンピオンナンバーかマイナンバーか

マイナンバーはインスピレーションや親しみやすさなど、自分にとってのラッキーがあり好まれている。一方で、やはり「王座」であることの証明として「1」も捨てがたいとする選手も少なくない。受け止め方はそれぞれだ。

いずれにせよナンバーは、ライダーたちを象徴するアイデンティティーであり、守ってくれる存在の1つであるようだ。

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