バレンティーノ・ロッシには弟がいることをご存じだろうか。彼もライダーとしてMoto2に参戦している。昨年ツインリンクもてぎで行われたMoto2で優勝しており、記憶にある人も少なくない。
伝説のライダーを兄に持つ彼は、どのような選手なのか、どのように考えているのか、その人物像に迫っていこう。
バレンティーノ・ロッシの弟、ルカ・マリーニ

プロフィール
ルカ・マリーニ(Luca Marini)22歳
1997年8月10日生まれ
所属・Moto2 スカイレーシングチーム
バレンティーノ・ロッシとは母親が同じ異父兄弟である。5歳から、ミニバイクを始め、兄と同様モータースポーツへの道を歩み始める。
これまでの戦績
2004年 ミニバイクのヨーロッパ選手権でチャンピオン獲得
2008年 ホンダ・ジュニア・トロフィー参戦
2011年 MiniGp80に参戦
2013年 Moto3に参戦
2014年 スペインのAspar Team所属
2015年 Moto3 ポンスレーシングチーム所属 シーズン5位
同年ヨーロッパ選手権でスピードチャンピオン獲得
2016年 Moto2 参戦 スイスのフォーワードレーシング所属 シーズン12位
2017年 シーズン15位
2018年 スカイレーシングチーム所属
2019年 タイGP、日本GP 2連勝 シーズン6位
ロッシのレーシングチームに所属

スカイ・レーシングチームのオーナーは、兄であるバレンティーノ・ロッシ。もともと若者ライダーの育成を目的にしたアカデミーを立ち上げる予定だったが、Skyが提案・コラボすることでチームを結成。
同チームは2014年にMoto3クラスにデビュー。ライダーはロマーノ・フェナティとフランチェスコ・バニャイア、2015年シーズンはアンドレア・ミグノが起用されている。
2017年にはMoto2クラスにも進出。Moto3で活躍したフランチェスコ・バニャイア選手を起用。そして2018年には、弟のルカもチームに加わった。
弟、ルカはどんな人物?

ルカは、兄バレンティーノ・ロッシとは父親違いで年も離れているが、仲が良い。お互い近くに住んでいて、ロッシも母親も、「とても優しくていい子」と述べている。
ルカの彼女・マルタ嬢とのお付き合いは3年ほどだが、小学生からの知り合いで、当時はルカの片思いだったようだ。その彼女が「ルカが怒ったのを見たことがない」と語り、「プレイステーションでは別だけど」と付け加えている。
ルカはプレイステーションが大好きで、「ゲームだったらバーレ(兄の愛称)に負けない」と言っている。
どこにでもいる普通の男の子という印象だ。
ライダーとしてのルカ、弟としてのルカ

とはいえ、ライダーとしての彼はとても真剣に取り組んでいると、ロッシが母親に語っている。
昨シーズンも良い成績を残しており、彼をMotoGPに昇格させる動きもある。
周りは、マルケス兄弟のように最高峰クラスで兄弟チーム結成を期待する声もあるようだが、ルカ自身はまずMoto2でチャンピオンになることを目標としており、最高峰クラスへのステップはまだ考えていないようだ。
彼はジュニア時代にホンダが主催するレースで何度か優勝しており、ホンダのバイクも大好きだと語っている。
ホンダへのオファーなどがあったら、などの質問もされているが、ルカ本人は慎重に対応しており、「そんな簡単に枠が取れるわけがない」と現実的だ。
「今シーズンに集中して結果を得ることがまず大事。」と語っている。
バレンティーノ・ロッシ、弟の今後に期待
兄との比較や今後の動きなど、様々な憶測や期待が向けられ、彼の置かれた立場も簡単ではないだろう。そんな中で兄としてロッシと親しくし、ライダーとしてロッシを尊重しているあたり、厳しい世界にいることをきちんと自覚している。
今は自主トレーニングでレース開催に向け調整しており、レースができないことを「みんなが大変な思いをしているから、僕もできることをやるだけ」とインタビューで答えている。
プレイステーションだけでなく、ライダーとしても兄を超えられる人物に成長できるよう、応援したい。
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