3年連続でチャンピオンとなり、勢いのあるマルク・マルケス選手。彼の身長は169センチで、どちらかと言えば小柄だ。
モータースポーツにおいて、ライダーはマルケス選手のように背が低い方が有利なのだろうか。ほかの選手はどのくらいなのだろうか、比較してみよう。
マルケス選手のように、身長は低い方が有利?
結論から言うと、どちらが有利かは一概には言えない。ただ、MotoGPなどのモータースポーツにおいて、身長はライディングに大いに関係がある。
MotoGPクラスのライダーは、現時点で22名。多くは170センチ台の選手が多い。それ以下の選手は2名。
MotoGP 身長が170センチ以下の選手

マルク・マルケス 169センチ 65キロ
アンドレア・ドヴィツィオーゾ 165センチ 68キロ
マルク・マルケス選手はチャンピオン。アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手は、MotoGPにおいて世界最速記録を持つライダー。小柄で軽い選手は、空気抵抗を考えればかなり有利であることは間違いない。
長身の選手は、身長に比例して体重も重くなるため、体を伏せても空気抵抗がありやや不利な部分がある。
その一方で、手足が長くマシンを操縦するパフォーマンスが有利になる。自らの重量を使ってマシンを前後左右に大きく動かして、バランスを取ることができるからだ。
身長が高い選手も見ていこう。
身長が180センチ以上ある選手

バレンティーノ・ロッシ 181センチ 69キロ

ジョアン・ミル 181センチ 69キロ

ダニーロ・ペトルッチ 181センチ 80キロ

アレックス・マルケス 180センチ 65キロ

ポル・エスパルガロ 180センチ 66キロ
マルケス兄弟は、チャンピオンである兄は170センチ未満、弟は180センチ。同じ兄弟でもかなりの差がある。小柄でも大柄でも、結果を出している良い例だろう。
ダニーロ・ペトルッチ選手は、180センチで体重が80キロ。モータースポーツ選手としてはかなりの大柄だ。それでも彼は、アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手と並ぶ速度記録を持っている。
ちなみに179センチの選手もいる。スペインのイケル・レクオナ選手、イタリアのアンドレア・イアンノーネ選手の2人。

レクオナ選手は、レッドブル・KTM・テック3で今年からMotoGPにデビューし注目されているルーキー。イアンノーネ選手は現在アプリリアに所属しているが、ドゥカティの時代にスピード記録を持っている。

もちろんライダーもスポーツ選手であるため、かなり筋力を鍛えており重量がある。反対に、ポル・エスパルガロ選手は、180センチで体重が66キロ。かなり細いと言えるだろう。
将来のMotoGPは長身派が多数か?
注目したいのは、Moto2クラスの選手だ。今年のMoto2クラスの選手はトータルで30人だが、そのうち9人が180センチ以上。約3分の1が長身と言うことだ。
Moto2 身長が180センチ以上の選手

ボウ・ベンドスナイダー 184センチ 69キロ

ルカ・マリーニ 184センチ 70キロ

ステファノ・マンズィ 183センチ 70キロ

ロレンツォ・バルダッサーリ 183センチ 70キロ

イェスコ・ラフィン 181センチ 73キロ

ニコロ・ブレガ 181センチ 70キロ

アウグスト・フェルナンデス 181センチ 69キロ

ジョー・ロバーツ 180センチ 69キロ

ハフィス・シャーリン 180センチ 66キロ
最高峰クラスにはいない183センチ、184センチの選手がいるほか、175センチ以上の選手4名も加えると、かなり大柄な選手が揃っている。将来的に彼らが、最高峰クラスに昇格することを考えると、モータースポーツ界の人材も変革期を迎えていると言える。
Moto2 170センチ以下の選手
一方で、Moto2クラスには170センチ以下の選手も4名いる。1人は163センチだ。

サム・ロウズ 169センチ 65キロ

ホルヘ・マルティン 168センチ 62キロ

エネア・バスティアニーニ 168センチ 64キロ

ロレンツォ・ダッラ・ポルタ 163センチ 58キロ
身長だけじゃない、ライダーはマシンと能力次第!
MotoGPライダーの体格は関係性があるが、それぞれのチームはライダーの体格に合わせたマシンを開発しており、どちらが有利と言うことはない。日々分析・開発を繰り返しながら、形状や部品などを調整している。
レプソル・ホンダは、マルケス選手のためのマシンを作ることができたが、成功ばかりではない。同じ時期、ホルヘ・ロレンソ選手にピッタリのマシンが作れなかったことを、とても心残りだとエンジニアたちはコメントしている。
それでもホルヘ・ロレンソ選手は、多大な戦績を残しチームに貢献した選手だ。チームの努力を理解しマシンを乗りこなせるライダーが、強い選手になるのだろう。
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