ヤマハと2021年からの2年契約を交わしたファビオ・クアルタラロ選手。多くの最年少記録を塗り替え、世界チャンピオンのマルク・マルケスと比較されている、注目の新人ライダーだ。
彼はどんな人物なのだろうか。その戦歴や人柄について紹介していく。
ファビオ・クアルタラロ、プロフィール
ファビオ・クアルタラロ(Fabio Quartararo)
1999年4月20日、フランス・ニース生まれ
父親も1986年に250ccクラスでレースに参加しており、4歳よりモータースポーツを開始する。
その後、レースの盛んなスペイン・カタルーニャに移り、ジュニアレースイベント・Promovelocidad Cupに出場。2008年に50㏄、2009年に70㏄、2011年に80㏄クラスのタイトルを獲得。
ジュニア時代、Moto2、Moto3
2013年 スペイン選手権Moto3クラスでタイトル獲得
2014年 Moto3ジュニア世界選手権優勝
2015年 Moto3参戦
参加最低年齢16歳に満たなかったが、特例が認められた。
総合13位
2016年 レパード・レーシングに所属。総合13位。
2017年 Moto2クラスに昇格 ランキング13位
2018年 第7戦カタルーニャGPで初めてのポールポジションから、
史上最年少6番目となる初優勝を挙げ、総合10位に浮上。
MotoGP参戦!最年少記録を更新
2019年 MotoGPクラスに昇格。
ヤマハのサテライトチーム、ペトロナス・ヤマハSRTに所属。
クアルタラロは開幕戦カタールGPでルーキー最上位の予選5番グリッドを獲得。
第4戦スペインGPでポールポジションを獲得。最年少ポールポジション記録は、マルク・マルケス選手であったが、彼より49日早い獲得となり最年少記録を更新したことになる。
カタルーニャGPでポールポジションを獲得。2位になった。オランダGPでもポールポジションを獲得し、連続ポールポジションをとった最年少ライダーとして注目の的になる。
最終的にポールポジション6回・表彰台は2位が5回、3位が2回となり、最終ランキング5位と大きく飛躍した。
クアッタハッホ?クアルタラロ?名前の議論

クアルタラロ選手がMotoGPに登場した当初、日テレG+の中継では、フランス語発音で聞こえる「クアッタハッホ」が使用されていたが、後ほど「クアルタラロ」に変更した話はよく聞かれている。
もともと、クアルタラロ家はイタリア・シチリア島出身で、ファビオ・クアルタラロという姓名もまったくのイタリア語だ。イタリア語読みの「クアルタラロ」のほうが正しいといえるかもしれない。
誕生日を迎えたインタビュー
4月の誕生日を迎え、インタビュー記事が掲載されている。
彼の輝かしいステップアップとは裏腹に、Moto3時代、精神的にかなり苦しんだことを告白している。
「15歳でMoto3に入れたけど、マルク・マルケス選手といつも比較されて、すごいプレッシャーだった」と語る。
彼の名前の前に必ず「最年少」という言葉がついて回り、周りが何事もマルケス選手との比較や、彼を脅かすのではという期待が交錯していた。注目される選手ゆえの重圧だった。
Moto2に入り、レースを消化していく中で、少しずつそうした目にも慣れていったという。
MotoGPに昇格した後は、チームやエンジニアたちと上手く仕事ができ、いい結果が出せたと話している。
憧れのバレンティーノ・ロッシ

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彼は今年2020年、ペトロナス・ヤマハSRTに残留するが、2021年よりヤマハ・ファクトリー・レーシングチームに所属することが決まっている。
2020年の初めに発表され、バレンティーノ・ロッシ選手に入れ替わる形となった。
彼はロッシ選手の大ファンだ。2006年、バレンシアでのレースを見に行き、バレンティーノ・ロッシ選手と撮った写真を見せている。彼と会って写真を撮るのに、2時間待ったそうだ。
「今は同じメーカーのライダーだから、ときどきレース場で見かけるよ。夢に一歩近づいたよ」と嬉しそうだ。
クアルタラロ選手は、ロッシ選手より20歳違う。彼の年代の若者にとっては、ロッシ選手はレース界のスター。クアルタラロ選手もその1人で、スターという遠い存在が近くなってきたことで、自身の成長を認識しているのだろう。
運命の巡り合わせか、実力が身を結んだか、彼はロッシ選手と再会し、夢を突き進んでいる。これからどんな記録を出していくのが、楽しみな選手だ。
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